起業におけるリスクを低減する一つの方策として、
兼業・副業の促進が考えられる。
兼業・副業の意義として、
事業が成功するか否かの可能性を市場で一定程度試した後、
起業するかを決断することができる。
小さく事業を始めることで、失敗した場合のリスクを最小化し、
成功すれば、本格的にその事業に専念することもできる。
本格的な起業に向けた助走期間として、
兼業・副業は非常に重要といえる。
大企業に勤める正規社員に対して、
兼業・副業についてアンケート調査※を行なったところ、
兼業・副業が認められていると回答した割合は約20%であり、
就業規則等において禁止されている企業が多くを占めていることがわかった。
もし、兼業・副業が認められた場合、
起業に関心のある者のうち、
約半数が兼業・副業を行いたいと回答している。
※中小企業庁委託「日本の起業環境及び潜在的起業家に関する調査」(2013 年12 月、三菱UFJ リサーチ&コンサルティング)[従業員が301 人以上の会社の正社員・職員]
兼業・副業にはこれだけ多くのニーズが有り、
兼業・副業が認められれば、起業に関心を持つ者も増え、
ひいては兼業・副業をステップに起業に踏み出す者も増えることが予想される。
しかし、現状では、多くの大企業では、
兼業・副業を就業規則等において禁止している。
確かに、兼業・副業が本業と利益背反となる事態を招いたり、
本業に支障が出る場合には認めるべきではないという主張も合理的といえる。
しかしながら、逆にそのようなリスクがほとんどない兼業・副業であれば、
社会的にもう少し寛容に受け止めても良いのではないか。
むしろ、兼業・副業による新たなイノベーションや
新鮮なプレーヤーの参入という「新陳代謝」の促進に、
社会全体として価値を見いだすべきではないか。
「起業大国」に向けて、
上記の内容が「中小企業白書2014」に記述されている。
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